大阪から来た知人と「中古レコード屋巡り」をした十代の思い出(後編)

一般
新宿にあった中古レコード店『トガワ』のレコード袋です。 新宿駅から歩いて(私の巡るルートでは) 一番最初にたどり着く中古レコード屋さんでした。 1990年の終わり頃に閉店になった気がします・・・

翌日は東京都内の中古レコード屋を巡ることになり、
新宿は「トガワ」をスタートに複数軒回って、
「えとせとら」の邦楽の店で、
あまりの高額に2人共に唖然!(大苦笑)

アニメのソノシートが沢山あるものの、殆どが5桁の値段・・・
とても買えるような価格ではありませんでした。
「えとせとら」の洋楽の店でもオールディーズのレコードを
見て回ったものの、なかなか手軽に買えるような値段ではなく、
銀座などを巡って、最後は渋谷に行きました。

ナンシー・シナトラの日本盤シングル・レコード
『フルーツ・カラーのお月さま』『肩にもたれて』
日本ビクター(JET-1237)昭和38年9月発売。
これは、中古レコード店の『えとせとら』で購入したものではありませんが、
1960年代に発売された当時のレコードを求めて
色々と探していました。

一緒に行った大阪の彼は、アニメ以外にも色々と見て回っている中、
私は1枚のレコードにクギ付けになってしまいました・・・(苦笑)
多分、レコファンというお店だったと思うのですが、
店の中に何本かある「大きな太い柱の上の方」に、
ジョニー・シンバルの日本盤が貼ってありました。
値段は8500円・・・・ 
初めてみたレコードに惹かれ、これが欲しかったんです。
でも、これを買うと、
他に何も買えなくなってしまうので、
買おうか、やめようか・・・と、
店内の、その柱の前で多分30分位、
ずーっと立ち尽くしていました(苦笑)

その時に見かけたジョニー・シンバル(Johnny Cymbal)の日本盤シングル・レコード
『ティーンエイジ・ヘヴン』『シンデレラ・ベイビー』
東芝音楽工業(KP-80)昭和38年7月発売
写真のは、数年後に他で入手したものです。
これは黒い盤ですが、壁に飾ってあったのは赤盤でした。

見て回って何か購入した彼は、
柱の前でずっと思い悩んでいる私に「何かあるの?」と尋ねたので、
迷っている旨を話すと、苦笑してました・・・ 

結局、買うのをためらって止めた訳ですが、
その後何日間かは「欲しかったなぁ・・・」と、
後ろ髪を引かれる思いでしたね(苦笑)

東京都内の中古レコード屋巡りでは、オールディーズと
ムード・ミュージックをメインに私は捜索したものの、
オールディーズは何処も高すぎて、
結局何も買わず(正確には買えず)に彼と別れて帰宅したのでした・・・あぁ。

あの頃(時代)の日本盤シングルは、
物凄い値段してましたけれど、あの値段は何だったのか?と、
今でも思います(笑)

(後編終わり)

あまり値段の高いものは、なかなか買えませんでしたけれども
今となっては良き思い出になっているモノもあります・・・ 
アルバイトで、一生懸命に大変な思いをして稼がせてもらった
数日分の給料でやっと買った1枚とか、
ねだるつもりでは無かったのに、欲しくて、つい祖母に話してしまい、
「じゃあ、買っておいで」と言われてもらった小遣いを持って
わざわざ、それ1枚を目当てに買いに行ったレコード・・・色々あります(笑)

社会人になって止むを得なく売ってしまったモノもあり、
悲劇のドラマとして、小説にでも出来そうな過去も多く・・・
まぁいつかは、全部を置いて旅立たなければならないことを思うと
モノは時間的に有限なものですが、それらのモノを通して
経験した思い出は、永遠に心の財産として残るのですね・・・ 

© 2023 磯崎英隆 (Hidetaka Isozaki)

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