大阪から来た知人と「中古レコード屋巡り」をした十代の思い出(前編)

一般
上記、チラシの地図の部分です。
『ムード・ミュージックの楽しみ』別館サイト

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レコード・ミュージック
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横浜は関内にあった中古レコード店『ディスクプラザ』のチラシです。
お店で買い物をすると、品物と一緒に袋の中に入れられていました。
1986年の夏頃のものだと思いますが、
右下の地図を見ると、この時はまだ伊勢佐木町店もなく、東宝会館の裏への
移転前の時代です・・・懐かしいなぁ(笑)
 

普段は、横浜市内の中古レコード屋や、
古本屋めぐりをするものの、私にとって(未成年時代)の
夏休みは、東京都内の中古レコード屋さんまで行く絶好の機会でした。

その中でも1987年の夏のこと、
知人が大阪から「レコードハント」に来るというので、
2日間にかけて、一緒に中古レコード屋めぐりをすることになりました。
彼は、日本全国の中古レコード屋が載っている『レコードマップ』
手にしていましたが、そこにも載っていないような
マニアックな店も、私がガイドするという話です(笑)

夕方、家の最寄駅で待ち合わせして、
私の家へと歩きながら、2人で中古レコード(ドーナツ盤のみ)も
売っていた古本屋(伊勢佐木町へ移転前の「なぎさ書房」)に行きました。
段ボールに入ったシングル盤は、大半が150円〜300円程の値段で、
なぜか昭和30年代のものには1000円位の値段が
付けられていました。
ジャンルの殆どは1980年代の国内の歌謡曲で、
古いクラシックも多かったでしょうか。
 

上記『ディスクプラザ』のチラシの裏面です。 
気が付けば、30数年が経ち・・・ 
結構シミが出ていました。
 

翌日、私たちは横浜市内の中古レコード屋を巡ることにしました。
その中では、横浜・伊勢佐木町通りのオデオンビルの中にあった
『先生堂書店』という古本屋で発見がありました。
まだこの頃は、「中古レコード」として値段をつけて売っていなく、
店の商品棚の端などに“雑然と”置いてあったりしてました。
値札も付いてませんが、
それを欲しいと言えば、売ってくれていたのです(笑)

大阪から来た彼は、古いアニメのレコード、ソノシートを
メインにコレクションしていたので、私は店主に
「古いアニメのレコードやソノシートはありませんか?」と尋ねると、
「こんなのなら、ありますけど・・・」と言いながら、
奥の薄暗い部屋の棚から10枚位?を持って来てくれました。
私はあまり詳しくないのですが、
彼の顔色が変わりました・・・見たこともない品が何枚もあるらしい(苦笑)

きっと、彼は私に買われてしまうと思ったんでしょうね。
「オレが交渉するさかい、イソは黙っときいや」(大阪弁なんで、こんな感じ?)
と言い出し、
全部買うから安くしろと店主に言っているのです・・・
そして、もっとあれば買うからとも言い、店主が
また奥にレコードを探しに行っている間、彼は私に
色々と耳打ちしました・・・自分たちが、それを欲しがっていることを
悟られないようにしなければならない、とか、
店主にそれが値打ちものだと気付かせないように
値段交渉するとか・・・
まぁ、私は「勝手にすれば・・・」と、彼の横で黙って見てました。
 

アニメ『がんばれ!マリンキッド』のソノシートです。
これは、上記の本文の時のものではありませんが、
ソノシートの多くは、このような横長の冊子状のジャケットに入った状態で
パッケージされていました。
私が幼少の頃は、この後の『海底少年マリン』の再放送を観てました。

店主はさらに何枚か持って来たものも含め、
20年以上は経っている、ほとんどのレコードやソノシートは、
まだ手も付けられていない程の新品同様な感じでしたが、
2、3枚の多少汚れのあるレコードに
彼はケチを付けて交渉し、結局、彼は(私から見ても)
おそらく安過ぎるような値段で成立させ、全部まとめて購入しました。

店のエリアから出て、エスカレーターを降りると、
彼はガッツポーズをして「大収穫だった!」と、
満面の笑顔をしてました・・・が、まとめて買ったのに、
私のは何も無いのかな????(大苦笑)

上記、チラシの地図の部分です。


他にディスクプラザなど、
何軒かの中古レコード屋を回ったものの、2人共に、
これと言った収穫はありませんでした。
途中で喫茶店に入り、彼が大収穫だったと言っている
『先生堂書店』でまとめ買いしたレコードを全部出して、
彼はこの中のレコード1枚、ソノシート1枚は
自分が持っているので私に売ると言い、
他は全部自分が欲しいから譲れと言うのですね・・・
まぁ何と虫が良いのか(苦笑)
 
朝日ソノラマの宣伝資料、販売資料のような
色々な印刷物が、綺麗なままソノシートに複数付属していて、
どれも物凄いレアものだったと思いますけれど、
せっかく大阪から来たのだからと、
私は彼が欲しいものは譲ることにしました。
そして、彼が持っているという1枚のレコードは、
とても貴重だというのです・・・何でも、
このレコードを復刻しようとした日本コロムビアが、
マスターテープを紛失していることに気づいて、
関係者が血眼になって“このレコード”
今も探し回っていると言うのです・・・
まぁ真偽はともかく、小さい頃に観ていた作品なので、
そのレコードのみ買わせていただくことにして、
ソノシートの方は「いいや」と買いませんでした(笑)

(後編へ続く)
 

補足として:
その貴重と言われたシングル盤ですが、当時としては、
確かに見かけないレコードだったものの、
その後は、同じジャケット絵柄の復刻版も出ておりますし、
現在、音源としては何ら稀少でも何でも無くなってます・・・(苦笑)

上記『がんばれ!マリンキッド』のソノシート(盤)です。
もともと子供が所有するものですから、
なかなか状態が良いままで残っていることは少ないようです。
これはいくらで見つけたのかも忘れてしまいましたが、
1990年前後の日本では、この手のソノシートが数万円で売られていました。
現在でも状態が良ければ、数千円はしているようです。 
 

© 2023 磯崎英隆 (Hidetaka Isozaki)


1980年代から1990年代中頃までの
中古レコードやソノシートが高額だった時代、
それらを夢中になって、集め始めてしまった私は、
後に「モノの価値」について
深く考えさせられることになりました・・・ 
同時に、私の身に色々起こり、それらを
見つめて行くようになるのですけれども、
とりあえず作品を楽しむなら、
今は以下のような復刻のCDもあり
便利な世界になったと痛感します・・・・ 
 

コピーしないでください。