![](https://gloomy-sunday.com/wp-content/uploads/2023/09/2023-09-disc1.jpg)
お店で買い物をすると、品物と一緒に袋の中に入れられていました。
1986年の夏頃のものだと思いますが、
右下の地図を見ると、この時はまだ伊勢佐木町店もなく、東宝会館の裏への
移転前の時代です・・・懐かしいなぁ(笑)
普段は、横浜市内の中古レコード屋や、
古本屋めぐりをするものの、私にとって(未成年時代)の
夏休みは、東京都内の中古レコード屋さんまで行く絶好の機会でした。
その中でも1987年の夏のこと、
知人が大阪から「レコードハント」に来るというので、
2日間にかけて、一緒に中古レコード屋めぐりをすることになりました。
彼は、日本全国の中古レコード屋が載っている『レコードマップ』を
手にしていましたが、そこにも載っていないような
マニアックな店も、私がガイドするという話です(笑)
夕方、家の最寄駅で待ち合わせして、
私の家へと歩きながら、2人で中古レコード(ドーナツ盤のみ)も
売っていた古本屋(伊勢佐木町へ移転前の「なぎさ書房」)に行きました。
段ボールに入ったシングル盤は、大半が150円〜300円程の値段で、
なぜか昭和30年代のものには1000円位の値段が
付けられていました。
ジャンルの殆どは1980年代の国内の歌謡曲で、
古いクラシックも多かったでしょうか。
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気が付けば、30数年が経ち・・・
結構シミが出ていました。
翌日、私たちは横浜市内の中古レコード屋を巡ることにしました。
その中では、横浜・伊勢佐木町通りのオデオンビルの中にあった
『先生堂書店』という古本屋で発見がありました。
まだこの頃は、「中古レコード」として値段をつけて売っていなく、
店の商品棚の端などに“雑然と”置いてあったりしてました。
値札も付いてませんが、
それを欲しいと言えば、売ってくれていたのです(笑)
大阪から来た彼は、古いアニメのレコード、ソノシートを
メインにコレクションしていたので、私は店主に
「古いアニメのレコードやソノシートはありませんか?」と尋ねると、
「こんなのなら、ありますけど・・・」と言いながら、
奥の薄暗い部屋の棚から10枚位?を持って来てくれました。
私はあまり詳しくないのですが、
彼の顔色が変わりました・・・見たこともない品が何枚もあるらしい(苦笑)
きっと、彼は私に買われてしまうと思ったんでしょうね。
「オレが交渉するさかい、イソは黙っときいや」(大阪弁なんで、こんな感じ?)
と言い出し、
全部買うから安くしろと店主に言っているのです・・・
そして、もっとあれば買うからとも言い、店主が
また奥にレコードを探しに行っている間、彼は私に
色々と耳打ちしました・・・自分たちが、それを欲しがっていることを
悟られないようにしなければならない、とか、
店主にそれが値打ちものだと気付かせないように
値段交渉するとか・・・
まぁ、私は「勝手にすれば・・・」と、彼の横で黙って見てました。
![](https://gloomy-sunday.com/wp-content/uploads/2023/09/2023-09-sono-marin.jpg)
これは、上記の本文の時のものではありませんが、
ソノシートの多くは、このような横長の冊子状のジャケットに入った状態で
パッケージされていました。
私が幼少の頃は、この後の『海底少年マリン』の再放送を観てました。
店主はさらに何枚か持って来たものも含め、
20年以上は経っている、ほとんどのレコードやソノシートは、
まだ手も付けられていない程の新品同様な感じでしたが、
2、3枚の多少汚れのあるレコードに
彼はケチを付けて交渉し、結局、彼は(私から見ても)
おそらく安過ぎるような値段で成立させ、全部まとめて購入しました。
店のエリアから出て、エスカレーターを降りると、
彼はガッツポーズをして「大収穫だった!」と、
満面の笑顔をしてました・・・が、まとめて買ったのに、
私のは何も無いのかな????(大苦笑)
![](https://gloomy-sunday.com/wp-content/uploads/2023/09/2023-09-disc3.jpg)
他にディスクプラザなど、
何軒かの中古レコード屋を回ったものの、2人共に、
これと言った収穫はありませんでした。
途中で喫茶店に入り、彼が大収穫だったと言っている
『先生堂書店』でまとめ買いしたレコードを全部出して、
彼はこの中のレコード1枚、ソノシート1枚は
自分が持っているので私に売ると言い、
他は全部自分が欲しいから譲れと言うのですね・・・
まぁ何と虫が良いのか(苦笑)
朝日ソノラマの宣伝資料、販売資料のような
色々な印刷物が、綺麗なままソノシートに複数付属していて、
どれも物凄いレアものだったと思いますけれど、
せっかく大阪から来たのだからと、
私は彼が欲しいものは譲ることにしました。
そして、彼が持っているという1枚のレコードは、
とても貴重だというのです・・・何でも、
このレコードを復刻しようとした日本コロムビアが、
マスターテープを紛失していることに気づいて、
関係者が血眼になって“このレコード”を
今も探し回っていると言うのです・・・
まぁ真偽はともかく、小さい頃に観ていた作品なので、
そのレコードのみ買わせていただくことにして、
ソノシートの方は「いいや」と買いませんでした(笑)
(後編へ続く)
補足として:
その貴重と言われたシングル盤ですが、当時としては、
確かに見かけないレコードだったものの、
その後は、同じジャケット絵柄の復刻版も出ておりますし、
現在、音源としては何ら稀少でも何でも無くなってます・・・(苦笑)
![](https://gloomy-sunday.com/wp-content/uploads/2023/09/2023-09-sono-marin2.jpg)
もともと子供が所有するものですから、
なかなか状態が良いままで残っていることは少ないようです。
これはいくらで見つけたのかも忘れてしまいましたが、
1990年前後の日本では、この手のソノシートが数万円で売られていました。
現在でも状態が良ければ、数千円はしているようです。
© 2023 磯崎英隆 (Hidetaka Isozaki)
1980年代から1990年代中頃までの
中古レコードやソノシートが高額だった時代、
それらを夢中になって、集め始めてしまった私は、
後に「モノの価値」について
深く考えさせられることになりました・・・
同時に、私の身に色々起こり、それらを
見つめて行くようになるのですけれども、
とりあえず作品を楽しむなら、
今は以下のような復刻のCDもあり
便利な世界になったと痛感します・・・・