近年ずっとアナログ・レコードのブームが
言われておりますけれど、本当なんでしょうか。
というのも、ここ2ヶ月位の間に、
手頃な価格のカートリッジや、レコード針が
手に入りにくくなりました。
レコードの交換針だけで4万円以上の値段が
ついているようなものは、まだ残っていることも
多くありますけれど、
手軽にレコードを聴くような層には(私も含めて)
無縁のランクです(笑)
所謂オーディオの世界は、
値段も性能も個性もピンキリで、
価格が高いから良いという訳でもありませんよね。
そこそこの値段で、自分が多くかける傾向の
レコードを上手く鳴らせるもの(カートリッジ)が
欲しいという事ですが、
すぐにレコード針が入手出来なくなってしまう
ような現状は困りものです・・・
という事で、もう手に入らなくなった
お気に入りのレコード針を慎重に使おうとしている
次第ですが、
最近、既に割れ目が入っているレコード盤を
優先して録音しておこうかと思い、
その1枚を撮影しました。
![](https://gloomy-sunday.com/wp-content/uploads/2022/07/2022-07-23-3.jpg)
年月が経つと、少しずつ経年劣化して、
割れてしまった部分が反ってしまったり、
広がってしまうことがあるのです。
珍しくない盤なら、諦めて捨ててしまいますが、
もう入手するのは不可能に思えるほど希少・貴重な盤は、
とりあえず録音しておこうということで(笑)
![](https://gloomy-sunday.com/wp-content/uploads/2022/07/2022-07-23.jpg)
割れ目の部分は上手に撮影できなかったので、
音溝の部分を撮りました。
一般に市販されたレコードではなく、ラジオ局に貸し出される
ような、1960年代前半のアメリカのプロモーション音源です。
写真のレコードは、A面・B面共に3トラックずつ
入っております。
で、この手のレコードは、各トラック同士が繋がっていないため、
1番目のトラックが終わっても、2番目のトラックへ
自動的には行かないのです。
一旦針を持ち上げて、2番目のトラックに針を降ろさなければ
ならない・・・つまり、1番目のトラックと
2番目のトラックの間の隙間に針を降ろし、
内側にカートリッジを指で押さないと、音溝に入らないため、
若干ですが針は傷みます。
そして、このレコード盤は、割れ目部分が少し反ってしまって
いるため、「バチッ!」という周期的な大ノイズがするのでした(笑)
本来なら、かけずに捨ててしまいますが、
このレコードは、グーグルで検索しても、一切見つけられない程、
情報すら出ていないランクのものなのです。
![](https://gloomy-sunday.com/wp-content/uploads/2022/07/2022-07-23-1.jpg)
収録内容は、1960年代前半にイギリスで製作された
映画の宣伝音源で、この映画そのものは当時の日本でも公開され、
話題になっていたようです。
映画のサウンド・トラック(サントラ)も、
当時から現地イギリスほか、ヨーロッパ各国に、
日本でもLPレコードで発売されています。
近年は復刻CDや、サブスクのストリーミングにもある程で、
今は誰もが容易に聴ける作品ですが・・・でも、
それらには、このレコードの音源
「サウンド・トラックをバックに、2名の主役が
それぞれアナウンスしているスタイル」と同じものは
入っていないのでした。
まぁ、そうなると多少、レコード針を傷めても
録音しておこうと、なってしまいます(笑)
ちなみに使っているカートリッジの針圧は3.7グラム・・・
重いように感じられますが、古い欧米の盤には、
この位が一番ビリつきがなく、トレースできるようです。
© 2022 磯崎英隆 (Hidetaka Isozaki)