レス・バクスター楽団と、ある大御所歌手のアンリリース(未発売)音源の発見!


もう随分前に譲ってもらったまま、手がつけられずに
放置しているレコードの中から、
最近、何枚かを再生・確認してみました。

盤そのものは数十年という時間を経てますので、
いつの間にか劣化してダメになっている場合もあるのですね・・・
今回、この内のSP盤(蓄音機でかける78回転のレコード)1枚
でしたが、再生するために盤を手に取り、
もう片方の手で埃を拭おうと、
軽く盤面に布を当てただけで「パリンッ!」って、
2つに割れ、手元の部分と、
三日月状(みかづき形)に割れた部分の両方が、
床にボトンッ!と落ちてしまい、夜中なのに
思わずびっくりして『あぁっ!』と、
大声を上げてしまいました・・・・(苦笑)
繋げて再生してみましたが難しく、
もう録音することは出来ず、ガッカリ。

それとは別に、同じく10インチのサイズで
2枚組にしてあった、
ダイレクト録音のラッカー盤があり、
この録音に発見がありました。
 

音溝の部分を撮影したのですが、よく見えなくてスミマセン・・・ 
ラベルは別の記事でお見せしようと思ってますが・・・


アメリカの、あるプロダクションのラベルが貼ってあって、
いくつかの単語が書いてあります・・・
これがアメリカで製作された1950年代の映画の音楽
であることが分かりました。当時、日本でも公開された映画です。

1枚目の片面に映画主題歌、
2枚目は独立した曲(サウンド・トラック)が、両面それぞれに
録音されていました。
現物を見る限りでは、おそらくこれを商業用として、
レコードにしようと(見本で)作ったのではないかと思いました。
ラジオなどで流して宣伝するために作ったものなのか?とも
考えましたが、アナウンスの類が一切入っていないので、
この説はないと考えます。

録音はレス・バクスター楽団特有のコーラスや演奏方法であり、
映画の実際のクレジットを調べてみると、
主題歌の伴奏、サウンド・トラックを作曲、演奏しているのも
レス・バクスターであることが確認できました。
それで、このレコードが実在していないかどうかを
調べるのに時間がかかりましたが、
やはり未発売(アンリリース)であることを確かめ、
これは貴重な録音であったことが判明しました。

吹き込み当時、
レス・バクスターはキャピトル・レコード(Capitol records)の専属、
主題歌を歌っている大御所歌手は、
アメリカのビクター (RCA victor) 専属でしたから、
少なくても主題歌の録音は(商品としての)レコード化が
出来なかった・・・ということから、
合わせて吹き込んだサントラも、レコード化しなかったのかな?とも
推測をしていました。
既に70年近くも経ってるラッカー盤ですから、もう推測で
仮定するしかないのですが・・・ 

でも、これはプロダクションに務めていた方の御子息か何か、
つまり関係者の子孫のような人物から入手したような
気がするのですが、「何だか分からないけど」という説明を
していた記憶もあり、もうよく覚えていないのです・・・
というのも、ラッカー盤の99%以上は、
内容が市販品のレコードと同じ
でありますから、
当時、直感で何か引っかかったために
(お金を払って)譲っていただいたものの、
特に気にせず何年も保管してあった次第なのです(笑)
しかし、ラッカー盤も劣化すると、
そのラッカーが塗ってある(音溝の)部分が
剥がれ落ちて行き、再生が出来なくなるので、
気をつけないといけません・・・

アンリリース音源というのは、この他にも
いくつか発見しておりますけれども、
よほど人気のあるアーティストでなければ、
特に需要があるわけでもないので、
結局ほとんどの作品は、世の中に知られざるまま、
時の彼方に消えて行ってしまうのでしょうね。
でも、この2枚も、せっかく残っていた希少録音ですから、
そのうち復刻CDとして(当方のものに限らず)
作らせていただくことが出来れば、と思っています。
既に天国へ行っているレス・バクスターと
大御所歌手は、どう思っているでしょうかね(笑)

 

追記:私の別のサイト『レコード・ミュージック』にて、
   このレコードの情報を記載しました(2023年9月22日付け)。
以下にリンクしておきますので、よかったら御覧ください。

© 2023 磯崎英隆 (Hidetaka Isozaki)

オリジナルの西部劇主題歌というのは、
なかなか聴ける機会がないのですが、
一般市販品としては、無難なものとして・・・
以下のユニバーサル・ミュージックのものは
いかがでしょう。

他に、当方の復刻CDでは
『マニアック映画劇場』(EH-258) がおすすめです。