昔のナイトクラブ (Night Club) の音声を
レコードとして初めて聴いたのは、
多分、イギリスはロンドンの店をめぐるものだった気がします。
それは既に、当方復刻CD『ヴィンテージ・ナイト・スポット』(VMST-213)
で共有させていただいております。
このレコードが作られたのは1950年代なので、
日本にすると昭和25年から35年位までの時代です。
日本のナイトクラブとしては、昭和40年代までが
最盛期なのかも知れませんが、
その頃の日本では「ナイトクラブ」以外にも、
「キャバレー」「レストラン・シアター」といった、
色々な呼び方があったものの、
概ねダンスバンドなどの生演奏が楽しめる(比較的 高級な)
飲食店を意味していたようです。
私はもちろん、世代的に一度も行ったことは
ありませんけれども、昔の音楽を研究しているので、
ある種の幻想的な魅力を感じています(笑)
日本のナイトクラブにての音楽としては、
東京の青山にあったナイトクラブ「青い城」での昭和35年の録音、
そして札幌はススキノのキャバレー『アカネ』に
出演された時に来日していた楽団の演奏も
復刻CDとして共有させていただきました。
当時は、そんな音楽の演奏をバックに、
お酒を楽しまれていたのかと想像すると、
それもまた、外国人の演奏なのに、
昭和の懐かしい独特なムードが感じられるのが不思議なものです・・・
イマ・スマック夫妻による昭和38年の来日公演時、
東京は赤坂にあった『ミカド劇場』は、
レストラン・シアターと書かれていますが、ほぼ同じ頃に
『ミカド劇場』へ出演中の外国人の楽団が当時吹き込んだレコードには
「ナイトクラブ」と書かれています。ちなみにウィキペディアでは
「レストランシアターで、後にキャバレーとなる。」と載っていました。
このレコードにある楽団が、
その『ミカド』へ出演中の様子が少し書かれていて・・・
バイオリン奏者が演奏しながら客席へ歩いて行くと、
お客たちは、彼にチップ(紙幣)を渡すそうです。
チップをもらったバイオリン奏者は、その紙幣を
次々にバイオリン(弦を支える箇所にある)の駒に挟みながら、
演奏を続けて(云々)とあります・・・かつての
バブル時代を連想させるような風景ですね(笑)
同じ頃に作られた、東京の赤坂見附にあったナイトクラブ
『ゴールデン月世界』でのレコードもありますが、
そこも同じような感じだったのかな?と想像してみたり・・・・
もう、そういった録音も情報も、一時代の、一時的なものに
過ぎず、時間と共に忘れ去られ、消えて行くのでしょうね。
しかしながら、そのような優雅で豪華な時間の流れている
過去の音場を(復刻CDによっても)楽しめるというのは、
何とも幸せなことであると思いました。
外国のレストランですが、世界で最も高額な値段設定に
しているという飲食店内で録音されたものもあります。
番外編として、御紹介しておきます(笑)
他にも、世界の上流階級の社交場とされているような
高級なムードただよう音場の復刻CDを複数作らせていただいております(笑)
© 2024 磯崎英隆 (Hidetaka Isozaki)