いつの間にか近年では放送されなくなった『心霊番組』ですが、
ブームの頃は、宜保愛子さんの番組が代表的でしたね。
信じるか、信じないかは別にして、どの番組でも、
霊能者が起きている心霊現象や、その場にいる霊などの
解説をされていたと思います。
その解説の裏付けで心霊現象が解決されたなら、
話としては一応、そこで終わります。
ただ、その少し前にもあった『川口浩 探検隊』のような番組で、
例えば「霊魂を追い求める話」など、
スピリチュアルな内容を取り扱った場合は、
結局、何だか分からないまま終わってしまいました。
現在、ユーチューブに無数にある『心霊動画』なども同じで、
大抵の動画は結論として「何だか分からない」ままで終わってますよね。
中には「心霊現象が起きた!」と大げさに騒いでいるものも
ありますが、単に心霊現象であると
配信者側が勝手に言っているだけで、
それが実際に何なのか、という現象の真実には
触れることすら出来ていませんよね・・・ 最近の私は、
そこに魅力があるのかも知れないと考えるようになりました。
まだ私が幼少時代だった・・・昭和51、2年頃の話です。
家族で母方の祖母の家に、泊りがけで行った土曜日の夜、
みんなでドリフターズの『8時だヨ!全員集合』の
コントを観ていました・・・テレビの横の奥に
3畳くらいの空間があって、
そこに物凄く嫌な気配を突然に感じたのです。
ドリフのコントよりも、薄暗い、その空間が気になって、
そっちをじっと見ていると、一瞬、
横に走る半透明のものが見え・・・ちょうど、
ウルトラマンに出てくる『ダダ』と同じような容姿で、
私は瞬時にその『ダダ』が現実にも存在すると思って、
凍りつきました(苦笑)
目にしたのは、頭と顔は人間ではなく、
全身が白と黒の縞模様になっている感じで、
身長は普通の大人よりも小さい・・・でも子供よりは
多少大きい位の人型です。
そのすぐ後、つまりダダの姿が見えた瞬時に
消えたと思ったら、その3畳くらいの場所の奥に
積んであった座布団に(私の)向こうから、
ダダのように見える半透明の人型が突っ込んで来て、
派手にばら撒くように倒しました。
その積んであった座布団は、1メートル20センチくらいの
高さはあったと思いますが、倒れるように
崩れながらばらける感じ・・・
人間が、その高さに積んである座布団に、勢いよく走って
突っ込んで行くのと同じような感じです(笑)
母と祖母は『あらあら・・・』と言いながら、2人で
座布団を拾い上げて、元のように戻しました。
風の影響でも何でもない場所で、
突然に座布団が吹っ飛ぶ訳がないのですが・・・・
私には、そこにまだ嫌な気配を感じていて、
もうドリフのコントを楽しむどころでは
なくなっていました(苦笑)
そして、睨みつけるように空間を凝視していると、
またダダのような半透明のが
何度か瞬時に見えたと思ったら、同じように
座布団に突っ込んで、前回ほど派手ではないものの、
その積んであった座布団を蹴散らしたのです・・・
ドリフのコントで笑っている母や祖母達は、
『あら、また倒れちゃった。ひでちゃん(私のこと)直して』
と言い、一番近くに座っていた私が、倒れて崩れた座布団を
拾って積み上げることに・・・ 嫌々ながら、立ち上がって
その場に行くと、嫌な気配は消えました。
座布団を直して、またドリフを観るのですが、
もう嫌な気配は無くなっていたものの、
気分は番組を楽しむどころでは無くなっていたのを
今でも良く覚えています(苦笑)
この頃は、まだ私の世話をしてくれる別次元の
存在(守護霊の類ではない)もいなかったので、
随分後に、このことを思い出して、
これが何だったのかを尋ねても
『さぁ、何だったんだろうね(笑)』と言って
笑っているだけです・・・ その情報は私に必要ない
ということなのでしょう。
最近になって、そのダダのような姿の
モンスターのような存在がいるのかと、再び
その時のことを彼らに話したら、
その辺に漂っていた悪霊か、不成仏霊のようなものが、
私を驚かそうとして、ダダのような姿に見せたのではないか?
と言うのです。霊を見てしまうような子供(私)が、
恐怖に震えているのを見て楽しんでいたんでしょうね・・・
霊というのは自在に変身すると言いますか、
正体を違うものに装って相手に見せる場合が多々あります。
善き霊が、その人のためにと、
当人にとって良い影響を与える人物の姿になって、
何かを告げたり教えたりするのなら良いのですが、
悪霊が悪意で何かに変装して見せて騙す場合もあり・・・・
ちょうど、息子などになりすました「オレオレ詐欺」
みたいなことですね(苦笑)
相手の霊の正体を判断することを審神者(さにわ)すると言い、
これは私も含めた現生に生きる人間には難しいようです。
理性的に判断するしかありません・・・
子供の頃の恐怖体験の一つを書かせていただきましたが、
私達が「心霊番組」や「心霊動画」で感じる興奮というのは、
結局「何だか分からないもの」であり、
そこに魅力を感じていると考えるようになりました。
「心霊動画」で『怪音が聞こえた!』『影が映った!』などと
大騒ぎをしていても、その原因(心霊現象ではないもの)が
分かってしまえば、きっと『なんだ・・・』って思うことでしょう。
もっと分かりやすい例え話をすると、
あなた様が毎夜、眠った頃に何かで起こされ、
ふと目を開けると、暗闇の部屋の隅に誰かが、うつむいて立っている
のを見たとします・・・ ふつうの人なら、びっくりして
恐怖を感じると思います(笑)
でもそれが、幸せそうな日々のあなた様に嫉妬しながら
最近亡くなった「隣の家のおばさん」で、
成仏出来ずに、あなた様も不幸にしてやろうと(でも何も出来ずに)
毎夜出て来ているということを知った(確信した)なら、
恐怖を感じるでしょうか?
うつむいて立っているのが「何だか分からない」から怖い
のであって、もしそれが勘違いさせるような、
単なるカーテンの光の当たり具合であることが分かったり、
霊だとしても、それが誰で、何の目的なのかが分かれば、
そんなに恐怖は感じないと(私は)思うのです。
結果として、そのように、人は誰しも
「何だか分からないもの」によって恐怖を感じた時が、
「最も恐怖を感じること」ではないか?と考えてますが・・・
いかがでしょうか。
顔はニコニコして接して来るものの、
心の中では「何を考えているのか分からない」
現世の人間もまた同じですね(苦笑)
© 2023 磯崎英隆 (Hidetaka Isozaki)