洋楽オールディーズも物凄く奥が深いもので、
現在のストリーミングのような聴き方(提供のされ方)では、
とても探究出来ないため、
ある意味では、それのない時代に面白味を知ることが出来たのは
幸運であったのかも知れないと、つくづく思います(笑)
もともと、その面白味をサイトや復刻CDなどを通して、
お伝えしようとしている訳ですが・・・
1980年代中頃から後半の話です。当時高校生だった私は
「FM東京」や「FM横浜」でやっていた
オールディーズの番組をカセットテープにエアチェック(死語?)・・・
つまり、ラジカセのようなミニコンポを使って、
ラジオからカセットテープに録音していました。
番組で読み上げられるカタカナ英語を聞き取って
楽曲をリストし、興味のある楽曲だけを
別のカセットテープにダビング(コピー)して曲集にするのですが、
それも楽しかったですね。
ただ、当時のオールディーズを扱う番組は、
ほとんどアーティスト情報を喋る(説明する)ことはなかったので、
アーティストを調べるにも大変な時代でした。
まだインターネットもない時代でしたからね。
ただただ曲が流れて、後から曲名とアーティスト名を
早口でアナウンスするだけのスタイルか、
多少喋っても、チャートが何位だったか・・・という程度の
情報でした。少しでも多くの楽曲を楽しむのには、
その方が良かったと思いますけど(笑)
この時代に作って楽しんでいたカセットテープが
大量にあって、今まで少しずつ、騙し騙し捨てて
いるのですけれど、当時、レコードが欲しくて
探した楽曲があったのを思い出します。
そのカセットテープを見ると、この中のお気に入り曲が欲しくて、
中古レコードを探したものの、
結局、見つけられなかったなぁ・・・って(苦笑)
当時、復刻CDも各社から色々発売されるようになるものの、
近所の馴染みの小さなレコード屋さんでは店頭にないので、
業務用カタログを見せてもらって探すのです。
店のカウンターで、いつまでも見ているのも悪いので、
業務用カタログの1988年版からは、店に売ってもらい
買うようになりました。
その業務用カタログに載っている、曲目やアーティスト情報の
小さな字を端から見ていって、
見つけようとする訳ですが・・・・例えば、
写真にある復刻CDも、その一つでした。
『ゴールデン・オールディーズ
ロックン・ロール・オリジナル・ヒッツ1953ー1963』
日本コロムビア(48CY-1963-1964)
1987年発売、当時定価:4800円
CD2枚組で、全部で43曲入っています。
この中から、ある1曲だけの音源が欲しくて、CDを
近所のレコード屋さんに取り寄せ注文を出し、購入しました(苦笑)
何の曲だと思いますか???
それは、男性のヴォーカル・グループで、
目立つダミ声の人の声が、微妙にずれて聴こえる作品です。
多分、多くの方は「何だこりゃ?」と思われるような感じですけれども、
これがもう絶品で、私は最初に聴いただけで魅了されてしまいました(笑)
でも、ラジオから録音しているので、
電波に入る多少の雑音、そして最初に録音したカセットテープから、
別のカセットテープに編集のためのダビング(コピー)をしているため、
音質が悪く、これをもう少し良い音で聴きたかった訳です。
もちろん、ラジオでかかっているのもアナログ・レコードですから、
もともとのノイズも入ってましたが・・・で、
やっと取り寄せて近所のレコード屋さんから入手した、
このCDをさっそく聴いてみると・・・・???
コーラスが整い過ぎていて、歌い方が全然違っていました・・・
カセットテープに記録してある曲名、アーティストで間違いなく、
CDでは確かに同じ曲名、同じアーティスト名、
そして歌っている彼らも同じ声であるため、情報は合っているのに、
違う録音、バージョンに当たってしまい、残念でした。
オールディーズに限りませんけれども、
こういうケースって、たまにあるんです。
他にこの作品が入ったCDを見つけられなかったため、私は
中古レコードを探すことになりました・・・が、
実はまだ持っていなくて、聴けてないのです(苦笑)
FM東京で流れていた、あのバージョンの録音が聴きたいのに!
今、これを書きながら、あらためて、
このCDの曲部分の「桜井ユタカ」氏執筆による
ライナー(解説部分)を見てみると、
(グループの説明があり)それ以上のことは公表されていない
『ゴールデン・オールディーズ ロックン・ロール・オリジナル・ヒッツ1953ー1963』日本コロムビア(48CY-1963-1964)のライナーノーツから
幻のグループで、コレクターの間ではとくに人気が高い。
とありました。このライナーにある「コレクター」というのは、
レコード・コレクターのことでしょうけれど、
そういうもの・・・なんでしょうかね(苦笑)
私にとっては、このCDを聴くまで知らなかった作品で、
ラストの『リンキー・ディンク』という曲が、
お気に入り発見でした。
アーティスト名は、デイヴ・ベイビー・コルテス。
黒人キーボード奏者だそうで、「あぁ、こんな演奏もあるんだなぁ」と
感激しました。後に、この演奏が入ったデイヴ・ベイビー・コルテスの
オリジナル盤LPレコードを「バック・トゥ・ザ・ロック」の神谷さんに
言って探してもらい、神谷さんから購入させてもらいました。
もう随分遠くなってしまった過去の、懐かしい思い出です。
もう30年以上?は聴いていないCDでしたが、
せっかく取り出したので、上記の2曲をかけてみると・・・・!!!
何と、2曲ともにレコードの音を使って(収録して)いるんですね。
当時は気にもしなかったのですが、
アナログ・レコードから収録していたとは驚き。
しかも盤質が悪いので、
状態の良いレコードが無かったのでしょうね。
『リンキー・ディンク』だったら、私が持っている神谷さんから
購入させてもらった盤のが相当良い音質で収録できたのに・・・
もう1曲の方も、アナログ・レコードのノイズが満載。
こちらのバージョンは、後になってレコードを見つけているので、
別のサイトに掲載しますけれど、このレーベルの
盤の材質自体が悪いので、傷が付いていなくても「ザザーッ!」って
ノイズが入ります。
そんなことで、今更ながらも、
昔買ったCDの音質に発見がありました(笑)
『リンキー・ディンク』を除くと、
42曲中、私が何の曲が欲しくて、このCDを購入したかが分かった人は、
相当に詳しい方でしょうね。
ヒントは「桜井ユタカ」氏が、解説を執筆していることです・・・ ?
© 2024 磯崎英隆 (Hidetaka Isozaki)