一般的な書籍以外に、学校教材として作られた素材・・・
冊子(文字情報や写真)や、
レコード(ソノシート)なども資料になることがあります。
写真は昭和42年に学校教材として作られたもので、
資産や備品の取得経路・財源を示す「取得区分」の
シールが貼られていました。

「市」:市費。市町村費(市区町村の予算)
「国」:国費。国庫補助(一般)
「理」:理科教材。理科教育振興法による補助(昭和28年制定)
「産」:産業教育。産業教育振興法による補助(昭和26年制定)
「寄」:寄贈。
このような区分けが当時(昭和40年代)にされていて、
この教材は国費で購入されたということになります。
市町村、国で資金を出すための「教材内容の基準」というのが
分かりませんけれど、国費を投じるということは、
それなりに価値がある教材だった、と
解釈できるのですが、いかがでしょうか?(笑)
ちなみに、シールには「旭川市立小中学校」という名称が
印刷されていますが、そんな学校はないらしく、
北海道の旭川市立の小学校、または中学校ということらしいです。

もう一つの教材は、昭和38年のもので、
シールらしき部分は剥がされてしまい、区分も
分からなくなっていますが、編集者の書いた文章を読むと、
この教材がどのような意図で作られたのか、
その経緯まで記されていました。
単なる教材というより、一つの企画として
丁寧に作られていたことが分かったのです・・・
昭和38年から日本全国の学校の授業で使われ、
その役目を終えて消えて行ってしまった教材ですが、
私の手元に存在した現物からは、
当時の教育や文化の一端が見えてくることがあり、
それが、こうした資料の面白さかも知れません。
この教材の編集、指導されたのが、
ある学校の先生であったことを知り、
その先生を追ってみたものの、
現在は何も情報が残されておりませんでした。
そして、発行元の「日本教図株式会社」は、
既に倒産していました。
しかも、国会図書館にはデータが無いようで、
納本もされなかったと思われる学校教材・・・
今では、すっかり稀少な存在となってしまった、
ミステリアスな音の資料について、
色んなことを想像していました。
© 2026 磯崎英隆 (Hidetaka Isozaki)


