「キャピトル・レコードの誕生(資料録音シリーズ)」にて、想像の楽しみを思い出す日

復刻CD
『資料録音(11)』キャピトル・レコードの誕生(XP-10011)
『資料録音(11)』キャピトル・レコードの誕生(XP-10011)


2023年11月、当方復刻CD『資料録音』シリーズの11番目に
「キャピトル・レコードの誕生」を発表させていただきました。
ナット・キング・コールや、フランク・シナトラの
レコード・レーベルで知られる、アメリカのレコード会社
「キャピトル・レコード (Capitol Records)」からの音源の歴史
(最初の一部)を紹介するものですが、
設立からの初期時代に見られる、これから発展して行くという・・・
レコード制作側の「こころざし」といいますか、
ムード(雰囲気)に魅力を感じるのです。
つまり、勢いがあったわけですが、私にとっては、
何故か、この会社の雰囲気に、とても懐かしい気持ちがするのです(笑)

キャピトル・レコードについては、過去にも資料を遡って、
面白い発見をしたこともありましたけれど、
2021年にテレビマンユニオンの東 氏から、
キャピトル・レコードの社内報に当たる資料提供と、
説明部分の映画出演依頼を受けて、
1957年頃のキャピトル・レコードと、日本の
東芝レコードとの関係について調査した時期がありました。
ただ、その後、映画の企画内容が、当初のものとは変わってしまい、
ビートルズを対象としたものになってしまったため、
私の調べた内容は、映画で殆ど触れられなくなったと思います。
その東芝レコードとの関係については、別途
他の記事にて発表させていただく予定です。
 

さて、「キャピトル・レコードの誕生(資料録音シリーズ)」では、
そのキャピトル・レコードの設立 第一号録音(最初の録音)を
まず収録させていただきました。
実は、私の復刻CDで最初に作らせていただいた初代の
『レコードのムード』(EH-100)
にも、
この作品(A面のみ)は入っていたのですが、
今回の「キャピトル・レコードの誕生(資料録音シリーズ)」では、
状態の良い原盤を探してきて使っていることと、
既に録音装置などが全部違うこともあり、
2つの録音は全く異なる音質になっています。
これが、アナログ録音からの特有な音の処理に
なってしまう訳ですけれど、レコードの当時の音、
ムード(雰囲気)にこだわって作らせていただいているので、
それは許容範囲として私は解釈しています。

現在は、インターネット上で情報を検索すれば、
正確かどうかにかかわらず、色々出てきますので、
どこかに情報の掲載があれば、すぐに分かってしまいますが、
例えば、かつて池袋にあった輸入中古レコード屋の
「メモリーレコード店」での土曜の夜の常連客の集まりにて
交わされていたレコード談義のような、
(自分の知識や経験に無いような)「想像の楽しみ」
みたいなものが、本来の(それぞれ個別の)自身の
音楽の楽しみ方へ繋がると、私は思うのです(笑)

アメリカのキャピトル・レコードが最初に録音した作品は、
何だったか、どんな演奏だったのか・・・その想像を楽しみ、
最初に発表された「レコードの音」を聴く事によって、
録音の現場の空気を感じてみたり・・・
そのような、自分の知見、経験や体験に基づく楽しみを、
可能な限り当時の音で味わう芸術と
一緒に提供させていただきたいと思って、
復刻CDを作らせていただいてます。


設立当初のキャピトル・レコードが、
専属アーティストとして向かい入れたいと、申し入れの
コンタクトした芸術家は2人いました。
なので、専属アーティストの第一号は2人いて、
その内の1人は、ここに収録をさせていただいています。
もう一人(ライナーには記載)は、
随分後になってレコードが発売されているため、
忙しいなどの事情があったのでは?と推測しますが、
そういう事もあったのでしょうね。

キャピトル・レコードで発売した
最初のアルバム(第一号アルバム)も、
ご存知ない方にとっては、夢のような想像として、
お楽しみいただけると思っています(笑)

© 2023 磯崎英隆 (Hidetaka Isozaki)
 

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