札幌はススキノにあったというキャバレー『アカネ』のステージで、昭和41年に演奏した外国の楽団

何度か日本へ演奏旅行に来ていた、ある有名楽団が、
昭和41年10月に再来日した時の旅行日記(記録)を発見しました。

楽団一行は東京公演を終えた後、北海道の札幌へ向かったそうです。
札幌から小樽、岩見沢、帯広へと回り、
それぞれの労音で演奏会を開催、各会場にて
圧倒的な拍手で迎えられたとのこと。
数日間の北海道見物を楽しまれた様子でした。

そして、再び札幌へ戻り、中心街のススキノの
真ん中にあるというキャバレー『アカネ』
2日間に渡って出演したそうです。

ススキノのキャバレー『アカネ』は、
昭和29年に開店したという大きな店で、
周辺も賑やかに開けていたといいます。
平成元年に閉店されているそうなので、
もう、その建物を見ることは出来ませんが、
当時の昭和時代を想像すると楽しそうですよね(笑)
 

キャバレー『アカネ』にて昭和41年に出演した時の写真。
左上には楽団名が書かれた看板があり、黒く塗りつぶし加工しています。


この楽団リーダーは、キャバレーに出演したのは
初めてだったそうです。酔っ払った客にからまれたりして、
色々あったみたいですが、楽団リーダーは
ゴキゲンで指揮をしていたらしい・・・ 
キャバレー『アカネ』にて1日3ステージ、2日間の出演を
したとあります。

北海道から、今度は本州へ移動することになり、
青函連絡船で移動。
楽団リーダーたちは、船内の床に所構わず座って
靴を脱ぎ、ウィスキー・パーティーを開催。
日本人スタッフは、この楽団リーダーを「世間知らずの殿様」
と感じたとあります(苦笑)

青森についたら喫茶店でパーティー、そして
横浜での演奏会の後、東京のナイトクラブで
2日間の仕事だったとか。
でもそのナイトクラブの店名は書いてないのが残念。

続いて、東京での一般公演があって、それから
長野県へ行き、長野のステージでも好評だったものの、
楽団リーダーは日本人スタッフと喧嘩して、
少々機嫌が悪かった様子。

夜行列車で岡山県に行き、昼寝の後に公演、
喫茶店『ともしび』でパーティーをしたとあります。
それから北九州へと向かい、各地で公演の予定で
日記は終わっています。

おそらく2ヶ月間もの間、随分と日本各地を回り、
いろんな見物をされていた様子で、
12月のある日の夜に開催予定の、
『東京プリンス ホテル』プロビデンス・ホールにての
「親善パーティー」の広告も見つけました。
前売り券は1500円です。
昭和41年の1500円は、どの位の感覚でしょうか。
この楽団リーダー率いる楽団演奏で、
社交ダンスが楽しめるみたいです。
 
この楽団が、(上記)日本に来ている時に
スタジオ録音したらしい作品は、当方の復刻CD

『ジャパン・ムードのお土産』(ST-767)
 

復刻CD『ジャパン・ムードのお土産』(ST-767)

にて、共有させていただきました。
『東京プリンス ホテル』で昭和41年12月に開催されたパーティーには
もう参加することは出来ませんが、
このCDで、当時の贅沢なムードを「あなた様のお部屋」で
「好きな時間」に、「当時のレコードの音」で!
お楽しみいただくことが出来ます。
キャバレー『アカネ』での演奏メンバーも同じなので、
そこでも、こんな感じの演奏が流れていたのでしょうか・・・???

© 2023 磯崎英隆 (Hidetaka Isozaki)
 

この復刻CDは、当方の『懐的音館』のみにて、お求めいただくことが出来ます。