昨今は、情報を得るための手段として
インターネットを活躍される方が多いと思いますが、
それでも十分な(正確な)情報を
確保出来ないことが多い上に、何かを調べるには
インターネットに限らず「検索する」という技術が
必要になって来ますね。
既にホームページや複数の記事で書いていますが、
ホームページを開設してからというもの、
かつてテレビ朝日で放送されていた「日曜洋画劇場」にて流れた
エンディング曲が知りたいという方達から
相当な数の問い合わせメールをいただいていました。
当時、テレビ朝日に電話をされて「分からない」と
返答された方が、随分多かったようです。
この情報は、当時ネット上に何処にもなく、私の知る限り、
書物等の過去の紙媒体にも掲載されていないと思います。
私自身は、特に何かを調べて得た情報ではなく、
テレビで放映されるのに使われていた実際の演奏が入った
レコードを持っていましたから知っていた訳です・・・が、
そのレコードもはじめから持っていない状態で
調べようと思ったら確かに大変です。
これが何という曲なのか、誰が演奏しているのか、
そして、どのレコードに収録されているのか・・・というのを
突き止めなければなりませんが、それが大変な訳ですね。
もし、これらのレコードの情報・・・7インチとか、
30センチのLPとかの種類、曲名またはアルバムならタイトル、
レコード番号、そして演奏者などが、
揃って入手出来れば、案外捜索は簡単かも知れません。
このような情報がそろって掲載されているとすれば、
大抵は書物などの紙媒体ですが、かといって、
既に私が御紹介している出口王仁三郎のレコードのように、
「一般書店で売られている大学准教授が執筆した本」でさえ、
間違った情報が平気で載っている場合もあるのです。
ですから、真実が確認できないような場合、
もし可能ならば「現物」を取り寄せて検証しなければ
判らない情報も案外多くあります。
情報を得ること、調べることの大変さを思う時、
当時の資料というのは、もっとも有力な情報のひとつです。
現状としては、日本または欧米の古本屋で探しますが、
あまり古いのは古本屋にも無かったり、
もの凄いプレミアがついていたりして、そう簡単には
入手出来ないことも多々あります。
上記「日曜洋画劇場」にて流れたエンディング曲を
演奏していたモートン・グールド楽団による
他の演奏も聴いてみたいといった要望もあり、
後から、彼のファースト・アルバムなども、復刻して
お聴かせできるようになりました。
そのモートン・グールドの初めてのアルバム(ファースト・アルバム)に
関しての情報は、当時のアメリカの紙媒体に載っていたため
知ってはいたのですが、本当に調べる(確認する)のが
大変だったのは、モートン・グールドが初めて吹き込んだという
「ファースト・レコード」でした(苦笑)
彼が吹き込んだレコードは沢山ありますし、
そんなに古いレコードが常に市場に出ている訳でもありません。
何しろ書物も含めて、それらの情報は何も見つからず、
年代などからパズルのように推測して行き、
やっと情報の上での見当はつきましたが、
現物はなかなか見つかりませんでした・・・少なくても、
探し出して入手するまでには数年という月日がかかっています!
そのファースト・レコードが何か、ということが
上記、日洋画劇場のエンディング曲のように
判ってしまえば「何てことない」のですけれども、
その現物を見つけ出すこと、そして確認することが、私にとっては
本当に大変な作業だったのです。
そのモートン・グールドのファースト・レコードが、
苦労の末に見つかったのは、
アメリカはフロリダ半島の南の田舎町の・・・
中古レコード屋(ここはもう無いみたいです)で出した
オークション・リストでした。
早い者勝ちの「定額販売」でなく、期日を区切った
「オークション販売」だったのです。
いくらにしようかと迷いましたが・・・予算を考えながら、
複数枚入札するも・・・・他は買えずに、
お目当てのこの1枚だけは何とか買うことが出来ました・・・
けれど、落札した値段も値段で・・・(苦笑)
到着を待つ日々というのは、とても長く感じるものでしたが、
随分と待たされて、やっと無事到着した時は本当に感無量でした(笑)
実はこのレコード、日本でも(日本盤で)発売されていたんです・・・
昭和一桁の時代に。
何とか発売当時の資料(新譜紹介)を古本屋の目録で探し出し、
入手してみると、これが彼にとって
初めて吹き込んだレコードであることは書かれていませんでした。
紹介文を書いている人も、知らなかったのでしょうね。
まぁ、そんな訳で、苦労して情報を探しまくった上に、
やっとの思いで入手したモートン・グールドの
ファースト・レコード・・・ 音楽そのものの楽しみ、
発見の歓び、そして知の発見という情報も含め、
この感動を分かち合いたいと願い、
復刻CDに入れさせてもらったのが、
『ラジオのムード(DJスペシャル)』でした。
初めて日本で発売された、モートン・グールド初吹き込みの
新譜紹介の文面などを恥ずかしながら、私自身が
拙い言葉で説明しながらレコードをかけています(苦笑)
手続き上の問題などで定価は付けているのですが、
これは売らずに差し上げているのです・・・
ただし、当方の復刻CDを一度に1万円以上、
御注文くださった方に。一度限りですが。
このCDには、他にも貴重な録音もあり、
「お互いが良ければ」という意味で、
そのようにさせていただいています。
価値ある「音の蒐集」ということで、確信するCDです!(笑)
© 2021 磯崎英隆 (Hidetaka Isozaki)