写真にある、乗り物のおもちゃは、
フジテレビで昭和53年4月2日から昭和54年8月26日まで
放映されたテレビアニメ『SF西遊記 スタージンガー』で、
孫悟空にあたる“ジャン・クーゴ”が乗る1号機です。
日曜日の夜、『サザエさん』が6時30分から始まり、
そのあと7時から放映されていました。その後にも
7時30分からの名作劇場シリーズもあり、
この頃の子供にとっては、明日、月曜日からの学校を
忘れさせてくれる時間・・・日曜日の夜のお楽しみというか、
ゴールデン・タイムでしたね。
子供の頃に持っていた品物の多くは、両親によって、
いつの間にか捨てられてしまい、写真にあるのは
偶然に残った数少ない内のひとつでしょうか(笑)
横浜駅のすぐ近くに「岡田屋」というのがあって、
このビルの屋上が、ちいさな遊園地のような感じに
なっていました。そこへよく両親に連れて
行ってもらって遊びました。
昭和53年のいつだったか、ある日曜日、
友人の「まーちゃん」と彼のお母さん、そして私と兄弟と
母で、この岡田屋の屋上へ遊びに行きました。
そして階下の不二家で昼食をとって、
出て来た廊下に100円のガチャガチャの機械が・・・(笑)
私達は真っ先にそれを見て駆け寄りました。
『SF西遊記 スタージンガー』のキャラクターの
ガチャガチャで、さっそく「やってみようよ!」と
意見が一致しましたが、横から中身を見ると、
どうもハズレも多そうで、誰が最初にガチャガチャを
するか迷いました(苦笑)・・・で、私が最初に
100円を入れて回したら、何と
写真の1号機(大当たり)だったのです!
まーちゃんは2号機、兄弟は3号機を当てて、
彼らは私の持っている「1号機が良かったぁ~」って
言ってましたね。
一日中が本当に楽しかった思い出で一杯の、
ある日の日曜日でした。その日の夜も、楽しさが忘れられず、
今でもそれが思い出される程です。
でも、それはこの写真のおもちゃの現物を見ることによって、
当時の記憶が引き出されていることに気づくんです。
もし、このおもちゃが既に捨てられて、
現在に存在していなかったなら、私の記憶も、
ひょっとしたら忘れて、
どこかへ行っていたかも知れません。
それだけ「モノ」というのは印象的なんです。
写真にある現物は、もう一部のシールも剥がれて、埃だらけ。
実用的でもなく、何の役にも立ちませんが、
私にとっては、これを見るだけでも
当時の楽しかった記憶がよみがえって来ます(笑)
現物のモノというのは、それだけ価値があると私は思っています。
© 2021 磯崎英隆 (Hidetaka Isozaki)