本来は「未公開(アンリリース)」音源であるかどうかは関係ないのですが・・・

一般
まだ磁気テープが使われる前の時代(戦前)の金属盤マスター原盤です。


ホームページを開設してから、随分と時が経ちましたが、
開設した初期の頃は、プロバイダーに「ソネット (So-Net)」を使っていました。
ホームページを個人契約者が持つのに、
確か月に2万円くらい必要だったのが、1ページ5千円に下がった頃、
ホームページを開設しようと申し込んだと記憶してます(その後、
ある程度の容量までで、無料オプションになりました)。
これをお読みの、あなた様は、自分のホームページのために、
1ページ分で毎月5千円払うとなれば、何の配信を想像しますか? 

まだ接続に電話回線が使われていた頃でもあり、
その接続に別途かかる電話代も気にしていた時代です。
この時の私は、中古レコードを通販で買わせてもらっていた、
アメリカの中古レコード屋の人達や、
彼らが私に紹介したコレクターとの
コミュニケーションのために、ホームページを開設しました。
私がそこに、いくつかのレコード(ジャケットや盤の画像と、
説明などの文字情報)を掲載して、
メールでお互いにそのレコード談義(レコード情報の下にメールの会話を
すぐ追加掲載していたので、現在のメーリングリストのような感じ)
をしていました。

自らの楽しみな理由ですけれども、私としては
「あなたが良くて、私も良い、そして世の中に対しても良い」
という“考え方”で、世界中に開かれたオープンなホームページを続けていました。
その中古レコード屋の人達は、店を引退してしまったり、
高齢で亡くなってしまったような方もいて、
徐々にコミュニケーションも無くなってしまったために、
日本国内向けのホームページに内容を変えました。
最初の頃は、見知らぬ方から感想をいただいたり、
交流もありましたけれど、現在ではすっかり
「ホームページのあり方」も変わってしまいました。

他のページでも多少書いているのですけれど、
作品が「有名」であることと、
「自分にとって良いと思う」こととは、イコールではないのです。

https://record-music.com/about-this-site
(『レコード・ミュージック』にての概要説明のページです)

でも一般的には、ヒットチャートや、レコード会社の
広告などに影響され、もたらされた商業的な価値によって
判断されることが殆どだと思います。
私が高校生だった1980年代後半に、オールディーズのラジオ番組で、
たまたま流れたマニアックな作品をもっと(最後まで流れず、
途中でカットされたりしていたので)聴いてみたくなり、
インターネットのない時代ですから、
中古レコード屋に当時発売のレコードを求めて・・・探すのにも、
プレミア価格にも悩まされました(苦笑)
それで、復刻CDとして、直接に作品を御紹介させていただく機会を
得てからも、商業的な成功にかかわらず、
古くても良い、いろんな作品を紹介したいという
「動機の延長上」に、たまたま入手させていただいた、
未公開の音源というのがあるだけ、
というのが事実なのです。

でも例えば、発表させてもらったばかりの当方復刻CD

『資料録音(17)』国内版レア・トラックス (XP-10017)

の中で、日本語と英語で歌っている外国人、
ビンボー・ダナオ、ジェレ・コスビィ、の録音なんて
評論家もびっくり、世界初復刻!
です。
しかし、これらのレコードは、
存在すら知られていないでしょうから、
ある意味、未公開音源と同じようなものと
言えるのではないかと思います。
ただ単に、商業的に当たらなかっただけ、
という理由でレア(珍しい)のです。
でも、実際に聴いてみれば、歌も上手で、面白い録音です。

当時の制作会社の資本力、宣伝などの影響もあるのか
分かりませんけれども、この吹き込みがレコードとして
作られた当時は、世の中の流通に乗って、
日本国内で売られたものなので、
「未公開」「アンリリース」とはならない音源です。

一方で、製品とはならず、世の中の流通に
乗らなかった(売られなかった)音源は、そのままの意味で、
表現方法はいくつかありますけれども、
「未公開」「アンリリース」といった音源になりますが、
どちらにしても、
「古くても、いろいろな音楽を紹介したい」という動機として
使わせていただく作品のため、
本来は「未公開(アンリリース)」音源であるかどうかは
関係ないのですが・・・
という話でした。

この写真のディスクは、
まだ磁気テープが使われる前の時代(戦前)に使われていた
金属盤のマスター原盤です。写真にはないラッカー盤もあります。
つまり、これらの板に直接吹き込んでいるので
この世に1枚しかない1点ものです。しかしながら、これらは既に
誰が吹き込んだ何の曲かも分からない録音・・・
復刻すれば、もちろん世界初音源化!ですけれど
誰も欲しがらないでしょう(苦笑)
でも実は、昔の有名な人物が吹き込んでいる原盤が1枚あるんです。
しかし技術的に、音を上手く収録することが出来ず・・・

過去に、きちんとしたマスター原盤を沢山持っていたのですが、
復刻CDが売れずに大赤字を出し、
お金に困りだして、情報が書かれていたものは殆ど売ってしまい・・・あぁ。。。(涙)

その時に、ナット・キング・コールのキャピトル吹き込みのもの等も
あったのですが、それはマスター原盤かどうかも分からず、誰も欲しがらなかった・・・ので
私に「まだ持っていろ」という事だったのかも知れません・・・ 
そのおかげで、その一つの未発表音源が、以下の復刻CDにて
収録をさせていただくことができました!
ぜひ。
『資料録音(16)』ポピュラー・ヴォーカルの楽しみ〜ナット・キング・コールの世界初公開音源?!編(XP-10016)

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