この記事は、筆者が「note」というサイトに
2026年2月15日に掲載した文章に、少し加えたものです。
https://note.com/record_music/n/n3cbbda174819
「アナログ・レコードの音」の視点から、
各作品に対する思いを書かせていただこうと開設した
『レコード・ミュージック』というサイトを運営しています。
そこには、『レコードの種類と歴史』という項目も作り、
各種のレコードについて簡単に解説したページがあります。
中でも、知られていない「16回転のレコード」について、
もう少し詳しく解説してみようと思ったので、
一応、他にも解説しているサイトがあるのかどうか、
確認しようとGoogle検索をしてみました。
2024年2月14日(バレンタインデー)のことです。
ところが、検索結果を見て、驚きました。

「強調スニペット」として、私自身が書いた説明文と写真が、
既にGoogle検索の画面上に表示されていたのです。
出典として「record-music.com」と表示されてはいるものの、
ユーザーはこの画面だけで情報を得てしまい、
これではサイトを訪問する必要がなくなってしまいます。
せっかく維持費を使ってサイトを開設しているのに・・・私は
激怒しました。
もうこれ以上、Googleに「16回転のレコード」情報を
渡したくないと思いました。
後に、詳しく「16回転のレコード」の情報をまとめ、
この「note」というサイトに、有料記事として1ヶ月間
掲載してみましたが、残念ながら1件も売れませんでした・・・(悲)
そして、2026年1月21日、思い出して、
同じキーワードで検索してみると・・・

「AIによる概要」という表記に変わっていました。
内容文章は私の記事が元になっているにもかかわらず、
写真は別のものにすり替えられ、出典として先に表示されているのは
全く別のサイトになっていて・・・これは酷過ぎませんでしょうか。
しかもそれらのサイトには、「AIによる概要」に書かれている内容も
実際にはほとんど書かれていません。
私の記事がGoogleのAIに吸収・再構成され、
元の情報源であるはずの私のサイトへの正当なクレジットが消えてしまったのです。
こうした状況の中で、先日、ある珍しいソノシートの記事を
「レコード・ミュージック」に書こうとして、
また別の問題に気づくことになりました。
それは、昭和30年代に東京の劇場にて公演されていた
“ミュージカル”の音楽でした。これは有名な日本人音楽家が作曲し、
演奏されたもので、一般市販のレコード(録音)にはなっていないのです。
一時的に配布されたソノシートのため、
レコード会社にも音源はないと思います。
このミュージカル作品(映画ではなく舞台)の
当時パンフレットを元に、この稀少な録音のソノシート情報を
御紹介、記録としても残したいと考えたのです。
で、一応、Google検索に、このミュージカル名や劇場名を入れてみたら・・・
条件に合うものとして出てきたのは、
YouTubeの動画がひとつと、
パンフレットの所蔵でヒットした、いくつかの図書館関係でした。
図書館関係には作品の細かい情報はなく、パンフレットの
存在を記すような情報だけです。
そのYouTube動画を観てみると、その“ソノシートをかけて
聴かせている動画”でした。最初から最後まで流れます。
レコード会社の専属作家の作品にもかかわらず、
著作権には引っかかっていなく、動画開設者が収益を得ている
状態に見えました・・・細かいことは、ここで書けませんが、
いわゆる「違法アップロード」です。
コメント欄には「いつも貴重な音源を聴かせてくれて、ありがとう!」的な、
賞賛するいくつかのメッセージが付いていました。
その動画配信者のホーム画面を見てみると、
違法に配信(アップロード)された音源が、2000件近くも
並んでいて、思いのほか盛況しているチャンネルだったのです。
それで思いました。
このミュージカル作品の録音は、私も復刻CDにはしていないため、
私のサイトへ記事(として)を読みに来てくださった方で、
興味を持たれたり、実際にこれを聴きたいと思った人は、
きっとGoogle検索するだろうと・・・そして、
そのユーチューブにある違法音源を聴くしか “聴ける方法がない” ので、
それを聴きに行く・・・ということは、
権利者に対価が支払われていない動画なので、
違法アップロードしているチャンネル開設者(配信者)に収益が
行ってしまうと・・・で、散々迷った挙句、私はこのミュージカルの
ソノシートの記事を書くのを “やめた” のでした。
でも実は、心中複雑なんですよ。
人気のある有名作曲家の出回っていない楽曲で、これは
演奏も良かったので、貴重ゆえに資料としても
紹介する価値はあったと思います。
それで、このミュージカル情報をお伝えすることが出来て、
(違法アップロード音源といえども)稀少な音源(録音)を
人々が聴くことが出来るならば、
これは世の中にとって良いことですが・・・
でも、いくら人々に喜ばれて、世の中的には良い結果に
なっているとは言っても、違法・・・は、どうなのか?
たまに、ラジオなんかで言っている人がいますよね・・・
「ラジオ局にも録音は残っていない、古くて貴重な録音を
YouTubeなら、誰かがアップロードしているので聴ける」などと、
違法アップロードにもかかわらず、アーカイヴ的価値を
主張して言っているのを・・・
それはともかくとして、私が「あるレコードについて記事を書き」、
それに興味を持った人は「私の復刻CDで聴くことができます」・・・の
流れが、私としては「(利益よりも、聴ける機会を提供したいとした)
復刻CDを作らせてもらって良かった!」になります。
でも、現状の多くは、貴重な背景の古い録音の記事を
御覧になっても、私の復刻CDを購入することはなく、
記事のアーティストを検索して、違法だろうが何だろうが
タダ(無料)で聴けてしまうものがあれば、
彼らは満足なんだろうと推測してます。
今回の件は、私も(大赤字になるような)この楽曲の
復刻CDを作っていないので、聴きたいと思った人は、
きっと検索して、Google検索で出て来る、そのユーチューブ動画を
目にして聴くでしょう・・・ですから、私は自分の記事から、
違法なことをしている配信者とユーチューブへの収益化には
協力したくなかったので、このソノシートに関しては、
記事を書くのをやめた次第でした。
その違法アップロードの動画を知ったことがきっかけで、
それの配信者のホーム画面を見てみれば、
ソノシート音源の動画、それをポッドキャストでも聴けるようにしており、
感謝感激のコメント共に、ある程度盛況?されているチャンネルに
なってました。文化遺産的な意義の活動ゆえに、
みんな大らかな対応というか、気持ちなんだろうなぁ・・・ と
感じたのが本音です。
利用者はタダ(無料)で貴重な音源が聴けて、
現物の画像が見られ、簡単な解説もある。
チャンネル開設者は感謝され、文化的な意義のある活動と賞賛される。
そしてユーチューブと共に収益が出る。
権利の問題、法律の問題を除けば、
世の中のためには「なっている」のかも知れません・・・
私は「世の中にとって良い方法」で考えてみたいと思っています。
現状は、上記に説明させていただいたように、
「私も良くないと・・・」という面で、つまずいている状況ですから、
ひょっとしたら、御紹介したユーチューブ・チャンネルのような
「あり方」の方が、違法とはいえ、現状では
合っているのかも知れないと感じました。
それと、もし私が、その違法配信者のことを知らずに
記事にした場合・・・生成AIのGoogleに記事の情報を盗られて、
誰かがGoogle検索すると、そのYouTubeの(違法音源の)動画リンクの下に
「情報まとめ」で、私の書いた記事の内容が表示されることになるのでしょう。
それなら、私のやっていることは、
本当に無価値になってしまいますよね・・・
私は、“ホームページ” なんて言い方をしていた時代から、
目的別に複数のサイトを開設し、時に仕方なく閉鎖した経験もしながら、
運営して来ました。
自分でサーバーなどを用意するため、もちろん維持費用もかかりますが、
それでも「開設する目的」があったから、サイト(ホームページ)を開設した訳です。
しかしながら、近年は本当に事情が変わってしまい、
私の表現次第では、サイト開設の目的が、結果として違うことに
なってしまうと思うようになりました。
この状況をどのように対処して行くか・・・このままでは、
もう終わりも見えているような気もします。
複数のサイトを開設している側からの「心の迷い」を書かせていただきました。
これは私個人の問題ではなく、これから情報を発信する人すべてが
直面する構造の問題かもしれません。
ここまで、お読みくださり、ありがとうございます。
追記:
タイトル画像は、イマ・スマック(Yma Sumac)の
『Hate』という曲が録音されているラッカー盤です。
「レコード・ミュージック」の中の記事に、ちょっとだけ
掲載していましたが、これを機に消しちゃいました(笑)
この曲をGoogle検索しても “情報はない” ですよ!
ウッシッシ!(大橋巨泉ふうの笑い)
ここまでが、筆者の「note」というサイトに掲載した記事でした。
「楽しんでいただく」という面での“奉仕”として、
現物をもとに調べて、それを必要な方への情報として(こちらが
維持費などの費用も手間も負担して)サイトに掲載している訳
ですけれども、これをGoogleの生成AIに全部盗られて、
Google検索の「AIによる概要」などで検索結果に出されてしまう
のであれば、「サイト開設側」としては、サイトを維持する意味が
なくなってしまうことを強調したかったのです。
上記記事の2番目に出てくるスクリーン・ショット(2026年1月21日)を
御覧いただければ、お分かりのように、Google検索では筆者の記事内容を
全部持って行っているにもかかわらず、最初の出典は筆者のサイトではない
ので「盗っている」と解釈できます。
その上で、今のGoogle検索(新しいGoogle検索!と宣伝している)が
やっていることは、かつての「まとめサイト」と同じ、だと私は思います。
他からの情報を抜き出して並べているのですから、
「人間が意図的にやっていた」のから「生成AIが自動的にやっている」に
変わっただけで、検索結果を知る人間側には同じです。
それに、収益を上げようとしてやっている「動機」としても、
“新しいGoogle検索!”というのは「まとめサイト」と同じに思えます。
収益構造が「まとめサイト」と同じであることを、
Googleは否定していますが・・・(以下のスクリーン・ショットを参照)

筆者が好きでサイトを開設していると申しても、
維持費はかかっているため、それらを賄うための収益化
という点についても、色々と悩みました。
サーバー代などに充てさせていただこうと始めた「Googleアドセンス」という
「広告」を貼ることも、過去2度(一度やめて、再度)利用させて
もらったことがあります。しかし、全く収益にはなりませんでした。
自動設定にすると、広告だらけになってしまう上に、
閲覧者が不快に感じるような広告が、こちらの設定でブロックしても、
ブロックしても、出てきてしまい・・・という原因もあって辞めています。
ちなみに、「(通販の)Amazonのアソシエイト・サービス」なども、
かなり前から利用させていただいてますが、収益目的ではありません。
ムード・ミュージックの(各レコード会社から発売された)復刻CDを
御紹介させていただく上で、CDジャケットの著作権の問題を
回避するために始めたもので、現在でも一部にリンクを貼らせて
いただいてますが、収益はほとんど発生していません。
簡単に一部を書いておりますが、以上のことを
色々思案してみて、結局は
「サイトを御覧になる方に満足いただき、開設している筆者にも良い」
という形にするには、求める方から直接に “対価をいただく” ・・・
つまり「有料」にしなければならなくなる、という結論しか
思い浮かびませんでした。
そこで、まだ制作中ではありますが、
有料記事としても販売ができるサイトとして
『レコードのムード』(レコードのムード.jp)を開設予定です。
サイトのタイトルにした『レコードのムード』というのは、
筆者のホームページに多数の要望が寄せられた
“テレビ朝日系「日曜洋画劇場」のエンディング曲”を
収録して作った復刻CDのタイトルです。
これを作らせてもらった時、
本当に多くの人々から感謝された一方で、
「個人で儲けている」といったことを言う人達が
多かったのも知っています。
でも、何で私が作らせてもらうことになったのか?という理由と、
当時のソニー・ミュージックがどのように表明していたのかも、
その『レコードのムード』で、
きちんと説明しておきたいと思いました(後に掲載予定)。
2003年5月から、良かれと思って作らせて
いただくようになった復刻CDに対して、
心ない言葉とともに「儲けている」等と言う人が
多かったものですから、今回「有料記事」なんて言うと、
またすぐに同じように言われてしまうのかな・・・とも
考えましたが、もうそのようなことを言う人達のことを
気にせず、活動させていただきたいと考えました。
© 2026 磯崎英隆 (Hidetaka Isozaki)


